僕たちが一流の方から学んだ金言を書いていくシリーズです。
DNFでは不定期ではありますが、業界のトップクラスの方と食事会をしたりもします。
そこで聞いた内容をシェアしていきますので俳優の皆さんは、ぜひご一読ください。
①自分勝手な一人芝居なんて誰でもできる。
カメラと芝居しなさい。
若手俳優で多いのが一つ一つの表現が流れている人が多い。
例えば、 座っている自分が、近くにいる人に気づいて立ち上がり、
その人に向かって走って行くという芝居をする時全ての表現が流れてしまう人が多い。
この場合は
⑴近くにいる人に気づく、
⑵立ち上がる
⑶走って行く
の3つの表現があるが、だいたいが流れて表現をしてしまう。
それが "実生活での リアルな動き" ではあるのだが、カメラで撮ると伝わらないことが多い。
そのため、
⑴近くの人に気づく
⑵立ち上がる
⑶走って行く
の3つの表現を一つ一つわかりやすく流れずに表現をする必要がある。
つまり日常の行動をそのままカメラで映したとしても、見ている側には伝わりにくい
"実生活でのリアルな行動" と "リアルな芝居" は必ずしも一致しないということを俳優はまず認識しなければならない。
そして上記のことを意識して、一つ一つの表現を大切に、芝居をすることが重要になってくる。
②カメラを意識するな。
カメラマンが俳優の芝居に合わせるから。
先で述べたことと逆の話になるため混乱するかもしれないが、
先に述べたことは見ている人に "わかりやすく伝える" という話で、
今から述べるのは、カメラに合わせて芝居をする必要は無いという話。
撮影部の仕事の一つにフォーカスを合わせるという重要な仕事がある。
撮影中の動いてる俳優にピントを合わせる作業だが、この時に俳優がピントを合わせやすいようにカメラを意識して芝居をする必要は無い。
例えば、、 撮影現場で撮影部から「ここの位置に来たら怒る芝居をしてください」 このような指示を受けたとしよう。
指示通りでは無かったとしても役の想いが伝われば、"カメラマン" が俳優の芝居に合わせて動く。
俳優はカメラの動きを意識しすぎる必要は無く、思う通りに遠慮することなく表現しても良い。
俳優がカメラに合わすのではなく、カメラが俳優に合わせる。
それが芝居を撮影するということ。
また、経験のあるカメラマンは俳優の芝居を見て撮影をしている。
映している役と同じ感情になりながら撮影をしているため、
悲しいシーンでは悲しい気持ちになるし、
怒りのシーンでは眉間にしわを寄せながら撮っているし、
泣きの芝居の時は泣きながら撮影をすることもある。
俳優と同じように役の気持ちに寄り添いながら撮影をしているため、
役が動く瞬間、
表情が変わる瞬間にフォーカスを狂いなく合わせることができる。
これがプロのカメラマンの仕事。
だからカメラを意識する必要なんてない。
思いっきりいい芝居を自由にやって欲しい。
まとめ〜感想〜
安田 龍生
カメラマンがこれほどまでに俳優の芝居を見て撮影をしてくださっているということを知らなかったため非常に感動しました。
例えば、、 劇中の話を聞いているシーンで、俳優が話に食いついて自然と前のめりになったとしても、
「前のめりになる前の、話に食いついている芝居をしっかりと見ていれば、前のめりになるのがわかるからフォーカスを合わせられる」
「俳優と同じ感情で撮影をしているから、その役が次に何をするかわかる」
と仰ってくださいました。
これを聞いて、芝居は俳優だけのものではなかったということを知りました。
カメラマンも一緒に演じてくれている。
ということは、最初に述べたように、一人で芝居せずにカメラと芝居をすることが大切。
そして視聴者を感動させる前に、まず一番近くにいるカメラマンを感動させることができれば、
芝居も自ずと良くなるのではないかと思いました。
目標が一つ増えた。
こんな素敵な一流カメラマンに撮られてぇ。
ぜってえ撮ってもらう。
河合大樹
この話を聞いて、沢山のことを考えさせられた。
カメラマンさんもワンカット毎に全力で挑んでいる。
1ミリも手を抜いている人なんていない。
撮影はチームプレーである。
当たり前のことかもしれないが、、
「撮影初日は寝れないです」
「最初のカットに命をかけてる」
これはとてつもなく凄いことだと思った。
第一線級に活躍している人はみんなそうだ。
そこを目指す人間はどうだろうか?
何を1番に考えているか?
意識しているところはどこか?
話を聞いて、常にお客さんの目線、作品のこと、一緒に作っている仲間のこと、仕事に対してのプライドと誇り。
自分のことを考えている暇はない。
仲間の仕事のことも理解しているか?
この大変な仕事でも
「楽しくてしょうがない」
「ワクワクしてたまらない」
「だから映像はやめられない」
そう言われた時に、より一層この仕事の素晴らしさに気づいた。
なんて頼もしい人たちが周りにいるんだ。
この世界にいる大人たちはカッコいい。
作品作りの大切なものを忘れないように。
まずは最初にカメラを通して演技を見るカメラマンさんを感動させること。